『チェアリング』
愛用の折りたたみイスを公園等に設営し、飲食や読書、会話等を自然の中で楽しむこと
コロナが流行り出してもうすぐ1年、今年は久しぶりに旅行をしない年になった。
30になり、なんだか内から滲み出るどす黒い焦り。
これといった趣味もなく外に出る機会も散歩程度、このまま冬になると思うと気が滅入る。
ある火曜日の昼休み、Yahooニュースをちらちら見ていると「チェアリング」の文字が気になる。
記事が言うにはチェアリングとは「アウトドア用のイスを好きな場所に置いてコーヒーやお酒を呑み時間を過ごすこと」だと。
これはいい!
自分の気にいった場所にイスを立てる、なんて尊いのだ。
東京23区内でも自然が豊かなエリアに住んでいるので、思いつくだけでもかなりの場所が設営の候補地になる。
普段の散歩にイスを立てるという目的が出来るだけでも心が踊る。
早速アウトドア用のイスを見てみると3,000円程度で買える。
中国製の安物だが安いに越したことはない。
イスさえ買ってしまえば散歩をするだけで「チェアリング」、ハードルの低さも気に入った。
早速次の日に届くと思いの外小さくて持ち運びには苦労しないようだ。
試しに室内で初めてのアウトドアチェアを組み立ててみる。
はあ?
組み立て自体は物凄く簡単で20秒あれば出来るが、座るための生地を枠組みにはめ込むのにとにかく力がいる。
女性には難しくないか?
後日彼女に組み立てを試してもらったが相当に硬そうで苦労していた。
やはり安物だからなのか、どなたか高級なアウトドアチェアを持っている方は組み立てがどの様なものか教えて頂けると幸いだ。
しかし座ってみると中々これが悪くない。
このまま部屋置きにしても良いと思う位だ。
3,000円の折りたたみイスの強度を若干信用出来ないものの、モノ自体は全然悪くない。
寧ろかなり良い。
冷蔵庫に山のように積んである炭酸水を取り出して一服、これが春か秋のポカポカ陽気の中でだったら本当に最高だ。
初めてのチェアリングはまさかの室内となってしまったが、いつでも持ち運びが出来る自分のイスがあると思うとそれだけで興奮する。
趣味がなく、外出する機会もなく心のどこかで焦りを感じている人が居たら言いたい、
まずはイスを買え、外に置くか部屋に置くかはその後だ